シージの役割について
今回は、シージにおける役割分担についてなんとなく書いてみた。
なんとなく、だなんて歯切れの悪い表現を使ってるのには理由があって、というのも、正直に申し上げて、シージの役割分担が一般的にどうなってるか詳しくはないからだ。
ということで、いつものようにルーキーシージプレーヤー(シージ歴1年以下を指してるつもり)に向けた紹介記事というよりは、今自分が役割分担をしてチームを結成してみろって言われたときに、こんな人材が欲しいなという募集要項的な感じで各役割について触れてみようと思う。
先に言っておくが、今回の記事については私個人の考え方や価値観を多めに取り入れた内容となっているため、あまり深く読まない方がいいと思う。
特に、こう書いてあるし俺はこのオペレーター向いてないんだろうな…みたいな読み方は絶対にしないでほしい。そんな落ち込み方をされても責任はとらない。
①サポーター
味方のサポートをする人
基本的に主導隊になる
最低条件
ドローンが回せて、敵の居場所が報告できる人
ロックで敵が倒せる人
採用条件(レベルが上がるごとに難易度と評価が上がる)
レベル1:ドローンの使い方がうまい人
壊されない、差し込める、欲しい情報を引き出すのが早い、
そしてそれらを丁寧に報告し、イージーキルが取れる状態を作り出すことができる。
レベル2:気が利く人
〇〇ロックしといて!とか、××にドローン回して!とか、いちいち言わなくても先にやってくれると、攻撃が円滑に進みやすいし、停滞している時間も見短くなる。
また、交戦や前進を別の人に任せている分、後ろに立つ事が多いのでマップ進行度が把握しやすいので、タイムマネジメントもできると評価があがる。プッシュやクールダウンの早期提案が試合の命運を分けることは多い。
レベル3:終盤に強い人
ランク帯や作戦によるけど、サポーターが本格的に戦闘に入っていくのはお互い人数が削れてきてからなので、そういった狭い戦いに定評がある人がサポーターを務めてるとクラッチが発生しやすい。
だからサポーターがそのままスモークとかミュートとかやる風習があるのかもしれないとふと思った。
推奨オペレーター
・ロックすることが多いので扱いが簡単な銃持ち
・ガジェットで味方の進行を手助けできるとポイント高い
・斜線を切るためのスモークやルートカットできるクレイモアと相性が良い
どんな人が向いてる?
チーム内で1番落ち着いてる人がやるといいと思う。
②メインアタッカー(エントリーフラッガー)
最初に入っていって敵を倒す人
基本的にそのまま主導隊のアタッカーになるが、場所によっては別働隊に転向することも有り得る
最低条件
突発的な撃ち合いに5割以上勝てる人
雰囲気悪くしない(キル数で味方のせいとかにしない)人
採用条件
レベル1:聞く能力が高い人
だいたいは、先行ドローンの後ろを着いていくことになるので、その人の報告から敵の居場所をきちんと割り出せる必要がある。
報告の方法はけっこう組む人によって変わるので、とりあえずマップの名称などは把握出来てるほどよい。
レベル2:思い切りのよい人
先行ドローンがなくとも道を切り開かなければならない場面があり、それがフラッガーの腕の見せ所。
そこで勝てるかどうかはさておき、そういう勝負をちゃんと仕掛ける度胸があるかどうかは大事。味方が停滞してる場面で同じように立ち止まってしまうようならフラッガーとしての信用は勝ち取れない。
レベル3:抜け目ない人
エントリーフラッガーに期待される役割は、最初の数的優位を持っていったり、味方が侵入する場所の安全を体で確保したりすること。必ず最初から敵と撃ち合わなければならないわけではない。
準備フェーズ中に補強が遅い相手を見つけて壁抜きを狙ってみたり、ハイドしてる相手を見つけてこっそり倒しに行ってみたり、キルに対して様々なアプローチが仕掛けられるとプレイの幅が広がり、有利な試合を作りやすくなる。
レベル5:理不尽を押し付けられる人
要はめちゃくちゃに強いことができる人。
1人で3人倒せたり、その人のエントリーだけで試合が終わったり、そういうことができちゃったりする人がここにいるとランクはあがるよねって話。
推奨オペレーター
・撃ち合いに勝たなければいけないので、武器の強さは必須
・エントリー速度で勝負することもあるため、足は速ければ速い方がいい
・序盤にやられることも少なくないので、ガジェットは序盤に効果を発揮するか味方への貢献度が低いもの
→アッシュ、アマル、バック
どんな人が向いてる?
チーム内で1番撃ち合いに自信がある人がやればいいと思う。
③割職(ハードブリーチャー)
補強壁を割る人
基本的に主導隊になる
最低条件
必要に応じてマーベリックが使える(上下開けソフトブリーチ化)人
採用条件
レベル1:リスク管理ができる人
テーマパークを始めとして、割職がいないと攻撃の難易度があがるマップがいくつか存在するため、イージーキルをとられないように立ち回る必要がある。飛び出し無警戒とか、リスキル無警戒とか、なんとなくエントリーしたらやられたとか、そういうシーンが多いと攻撃成功率は自然と下がる。
レベル2:撃ち合いができる人
壁を割るまではデスしないように立ち回る必要があるが、壁を割ってからは最もプレッシャーをかける立ち位置となるので、撃ち合いの実力が必要となる。ここが弱いと相手に圧はかからないし、裏の動きも活きてこない。
昔は撃ち合い得意な人がアタッカーという風潮にあったが、今は割職に撃ち合い要員を置いてるチームが多いし、うちのクランもアッシュ担当の人がテルミにジョブチェンジから攻撃のクオリティが格段に上がった。
レベル3:指示出しができる人
割職の人が主動体となるし、そこに一緒にいるのはサポート役のサポーターと撃ち合い役のアタッカーになることが多いので、指揮系統を担えるとバランスがよくなる。他メンバーへタイミングを共有したり、全体の進行状況を管理したり、ときにはこれ以上の進行が難しいと判断してプラン変更を提案したりと、割と忙しい。
レベル5:プラント技術の高い人
チームの作戦やマップによるが、割職がプランターを務める可能性は比較的高い。最前列のアタッカーと最後列のサポーター、両方からカバーできるシチュエーションを作りやすいから。
プラント技術とは、プラント前準備、プラント決行判断、プラント場所判断、プラント中判断、プラント後立ち回りのことを指し、割と難しい。
推奨オペレーター
・大きく壁を割れる
→テルミット、エース、マーベリック
どんな人が向いてる?
リーダーシップがある人か、チーム内で一番信頼されている人がやるといいと思う。
④サブアタッカー(中間職)
自由な人
基本的に別働隊になるが、状況に応じて主導隊を補佐する
とだけいってもピンとこないと思うので、自分のイメージで説明する。
自由というのは何をしてもいいわけではなく、可能な選択肢を自由に持ってる上で適切な選択が行える人。別働隊としてのアプローチや単身での突破、遊撃や現地の排除、味方のカバーやルートロックなど、適当にあげるだけでもややこしい話となる。
自由人というより、何でも便利屋さん。
最低条件
シージに詳しい(目安はクリアランス200)人
どのオペレーターも使ったことがある人
採用条件
レベル1:クリアリング能力が高い人
極力少なくしたい要素ではあるが、中間職をやる上では自分でドローンを回して自分で動くという場面が必要になる。また、だからといって広くマップを探索するようなドローン回しをしては時間が足りない。要所のクリアリングと的確なエントリーでマップを進行しなければならない。
レベル2:判断が早い人
何をすべきか、どこにいくべきか、誰の情報を拾うべきか、どんなアプローチができるか、基本的に常に考えながら動くことになる。その結果間違えた選択肢をとってしまいました、は、まだしも、迷ってしまって間に合いませんでした、は、最悪のシナリオ。味方との情報交換を行いつつ、自らの決断を急いでミッションを達成しよう。
レベル3:発想力のある人
テンプレートが用意されてる主導隊と違って、単身で別働隊として動ける立ち位置なので少しの工夫で違いを作ることができる。わざとタイミングをずらしてみたり、エントリーポイントを変えてみたり、プレイスタイルごと変えてみたり、奇妙なオペレーターを使ってみたり。もちろん、その変化は味方に影響を及ぼすこともあるが、それ以上に敵の動揺を誘うことができる。
チームによっては手堅さを求められるのでそこは兼ね合い。
推奨オペレーター
・単身で動けるように武器は強めのもの
・選択肢を広げられるように破壊系のガジェット持ち
・フラグやフラバンなど、キルをとるのに利用できるサブガジェットとの相性がよい
→ゾフィア、ツイッチ、ヒバナ
どんな人が向いてる?
チームの中で最もシージ歴が長いか、シージがうまい人がやればいいと思う。
⑤IGL
指示を出す人。
ではなく、チームの最終決定権を持つ人、というイメージ
最低条件
チームの攻撃方法を理解してる人
周りとコミュニケーションが取れる人
採用条件
レベル1:やりたい攻撃が頭の中に存在する人
IGLというのはあくまでリーダーという立ち位置にあるのであって、この人が攻撃や防衛の全てを組み立てるわけではない。チーム全体でいくつかある候補のうち、どれにするかを選ぶ権利が委ねられているというだけ。とはいえ、毎ラウンド味方と話し合って決めていてはあまりにめんどくさいので、IGLから提案し、他からもっといい案があれば乗り換え、くらいの感じでいい。
レベル2:周りの状況が広く把握できてる人
計画している攻撃自体のクオリティはさておき、その過程で迷いがたくさん生じる攻撃は基本的に弱い。味方の位置情報を上手く管理し、浮いてる人やプランに沿ってない人がいる場合に、有効なコマとして活用できるかどうかがIGLとしての腕の見せ所。
レベル3:敵陣のリソースが読める人
シージというゲームの構造上、5人というメンバーで防衛エリアを満遍なく固く守るというのは不可能に近く、必ずどこかに手薄な防衛地点が存在する。それとは逆に、重要拠点として手厚く守ってる部分も存在する。ガジェットや人員の配置から敵がリソースを割いている部分を推察し、元々のプランが決行できるのか、それともよりよい代案があるのかの判断ができると攻略難易度が下がるかもしれない。
オペレーター
個人的な意見だが、IGLは専門の役職ではなく、兼任の役職だと思ってる。つまり、上記にあげた①~④の役割の人がついでにやるべきだ。
よって向いているオペレーターなどは特になく、また、この役職の人が兼任すべきだというのも特にない。
どんな人が向いてる?
IGLは、できる能力がある人がやればいいと思う。
編成の結論としては
主導隊に
割職、サポーター、メインアタッカー
別働隊に
サブアタッカー
最後の一人が補完枠、或いは盾やインなどの攻撃コンセプトそのものになりうるオペレーター
という感じになると思う。
あくまで最も一般的な形にしてみた構成というだけで、この構成を推奨するわけではないし、特に考えずにこの構成を試してみても勝率は変わらないと思う。
チームとマップ、そして攻撃方法にあった編成やオペレーターを選ぶことがベター。
役割分けをしていない場合に起きる弊害について
・誰も割職選んでなくて壁割れないって事件が発生しやすい。
・個としての動きを想定したプレーヤーが増えるため、主導隊の存在が弱くなり別働隊の難易度があがる。
・攻撃の作戦を共有していない上に、役割すら定まっていない場合に停滞現象が起こりやすくなる。或いは、攻撃の粗が目立つ。
役割というのは、何をすべきかわかりやすくするための指針である。
逆に言えば、それだけのものだと思っているので、役割がわかれていないが故にパフォーマンスが低下するということはめったにない。
どちらかというと、役職を決めてしまったことによる弊害の方が心配だ。
例えば、俺はサポーターだから前に出ないとか、俺は中間職だから絶対に一人で動くとか、俺はIGLじゃないなら方針は決めないとか。
もっとわかりやすい例を出すならば、私はお茶くみ係に任命されたけど、課長が欲しいのはコーヒーだと言っていて、それは私の仕事ではないと他人事のように振る舞ってしまうようなものだ。
役割というのは縛られるものではないし、全うすべきものでもない。
シージというゲームはどんどん進化していて、一人一人に求められることはどんどん増えているので、役職をはっきりと決めることで自分の行動に制限がかかるくらいなら決めなくていいと思ってる。
5人のスペシャリストが揃うより、5人のオールラウンダーが揃う方がこのゲームは勝ちやすい。
ゴールドにいける人とそうでない人の違いも、強みといえるものを持っているかどうかではなく、弱みといえるものを持っていないかどうかになる。
自分はこれが向いてるからこれ!というのももちろん否定はしないが、その判断は挑戦してからでも遅くないはずだ。
最後に、自分はだいたい全ての役割をやったことがあるので、その経験談を付随してこの記事を終了しようと思う。
自分は柔軟思考推奨派あが、役割ガチガチのチームもそれはそれでシージっぽくて面白いかもしれないので、この記事の内容は無視していろんな形に挑戦してみてほしい。
①サポーター
クランに入って1年間くらいずっとサポーターだった。ドローン回し、報告、カバー、ロックなど、このゲームにおいてキル以外の技術があることを知り、そこが伸びるとシージプレーヤーとしての総合力が増す。
簡単なように見えて、実はやっぱり簡単なポジション(自分で考えることが少なくなる)だが、サポーターとしての質を上げたければ「味方の進行を待つ」という意識から「味方の進行を後ろから支える」という意識に変えるのがオススメ。その意識の変化だけで、考えないといけないことや工夫できることが一気に増える。
当たり前だけどキルレは落ちる(上がらない)のでそこに貪欲になるプレーヤーには根本的に向いてない。
クラン内で一番適性があったし、多分本気で勝ちを目指そうと思うなら自分はサポーターに入るべきだと思ってるくらい自信があるポジションだけど、考えて試合を動かすシチュエーションがが少なく、やりがいがあまり感じられなくて今は他人に任せがち。
②メインアタッカー
サポーターや割職を交互にやってた時に、一回ロールチェンジしてみようという話になってアッシュ専になったことがある。
結論からいえば2週間でやめた。
別に1on1の勝率が低かったわけではないし、フラグトップもとれていたし、負け越したわけでもないけど、チームに勢いをつけるという一番大事な部分が達成できてなかったので自然と交代した。
チームでメインアタッカーを務めるのは割と責任が重いというか、自信が湧かないみたいなところはあるけど、FPS初心者は一度挑戦してみるべきだと思うシージを始めたばかりの人にアッシュを進めてたのにも関係がある話。
自分から前に動き出すことは結局どのポジションに入ってても必要で、それができない人は正直いつまでも初心者だと見られがち。
攻撃のメインアタッカーが難しいのであれば、イェーガーやビジルを使った防衛の撃ち合い要員としてトレーニングするのもあり。そっちの方が難易度は低い。
自分がシージのさらなるステップアップを考えるなら絶対にここの役職に本腰を入れてチャレンジしてみるべきだが、だいたいこのランク帯になるとチームに2~3人は撃ち合い猛者がいるので機会がない。
③割職
クランに入って、間もない時期、まだテルミットという役職が甘く見られがちだったときにやらされていた。割職っていうより、サポーターとしてついでに割職をしていたという感じ。
当時は主導隊としての圧とか全く考えていなかったので、とりあえず生存を目標に適当にやってたら残り1人になってそのまま負け、みたいなシチュエーションが多かった。
初心者を置きがちなポジションではあるが、あまり推奨はしない。
だからといって中~上級者が好んでやるわけでもなく、それ故クラメン募集の要項にもだいたい割職歓迎って書いてある。基本的に不足している。
IGLをある程度できるようになってからは、指示出しがやりやすいポジションということで以前とは違う使い方をできるようになってきたが、それでも割職としての本領を発揮できてるとは思えない。自分にとっては一番難しいポジションだし、ここが一定以上のレベルでできる人は普通に尊敬する。
でも楽しくないから自分で極めようとは思わない。これが不足してる原因。
④サブアタッカー
ヒバナを割職ではなくサブアタッカーとして見ているので、そういう意味では一番最初に勤めた役職がここ。
今のクランに入る前の固定メンバーでヒバナ専として1の動きをずっと担当していた。当初は全部自分のタイミングで動いていたし、ルートも固定で柔軟性もなく、いい意味でも悪い意味でも計算通りの動きをするプレーヤーだった。
クランでも今はサブアタッカーの位置についていて、ついでにIGL補佐もやってる完全な何でも屋。シージに関する知識や経験を積み、柔軟な動きや緩急の付け方も意識できるようになってからこの役職を改めてようやく、FPSができるようになったんだなぁという実感が湧く。
新しいチームに呼ばれてて、たまにランクに混ざってるけどそこでも1の動きを担当している。
個人の特徴とか、チームでやりたいこととか、そういうことを短期間で分析したりするのが得意なので、サブアタッカーとして必要な部分を補うアプローチができる分、周りから適役だと思われるらしい。実際楽しいので全然異存はない。
ちなみにこのポジションを務めたいって思ったのは、どの試合か忘れたけど海岸線でめちゃくちゃ強い1の動きを担当しているリズラズ(元Fnatic所属。今はシージ引退済み)を見てめちゃくちゃかっけぇと思ったから。どっちかっていうとアタッカー気味の選手だから参考資料は多くないと思うけど、選手への憧れで役割や動きをトレースしてみるのは成長につながりやすいと思う。
⑤IGL
多分いろんな人に指示出しが得意って思われてる気がするし、実際言われるけど、自分はあんまりそう思ってない。IGLも誰もやらないんなら仕方なくやるってくらいで、他の人がやってくれるなら喜んでその人の手足となって動く。そっちの方が好き。
撃ち合いながら周りを見たり喋ったり、集中する場面を分散させたり、そういうことがなんとなくできてしまうので、卒なくこなせてしまうという意味ではIGLは向いているんだと思う。
ただ、やっていて思ったのが、IGLをはっきり決めて務めちゃうと、周りがあんまり喋ってくれなくなってシージが面白くなくなるということ。人を動かすという役職に魅力を感じていない。自分はもっと意見のすり合わせとか、ブラッシュアップとか、チームとしての工夫を作りたいのにという思いがあるので、IGLに対して提案役になったり修正役になったりする方が楽しい。
攻撃についてのプランを思案したり、周りを見たりする練習にはうってつけだと思う。
でも、ここは本当に、やりがいを感じられる人がやればいいと思ってて、最悪いなくてもなんとかんじゃないかなーって気はしてる。実際はいた方が楽。