ヌックのススメ

 


ヌックというオペレーターを使ったことはあるだろうか。

 


彼女はよく、ヌックを選ぶくらいならアッシュでいいと揶揄される。
何故なら、アッシュのほうが足が速く、銃も強く、そして敵のガジェットを破壊できる優秀なブリーチング弾を持つからだ。
だから確かに、アッシュと同様のメインアタッカーという役割を担おうとすると、アッシュの劣化にしかならないだろう。

 

そう、土俵が違うのだ。


アッシュにはアッシュの仕事があり、ヌックにはヌックの仕事がある。
むしろ彼女は、アッシュのような派手な動きを主とするオペレーターと組み合わせることで真価を発揮する。

 

今日はそのヌックの使い方の一例を紹介するので、是非みんなもヌックを使って相手の意表をつく楽しさを味わってほしい。

 

 


・突き上げヌック


難易度 ☆
強さ ☆☆☆
ヌック度 ☆

 

 

今までの環境であれば、突き上げをしたいならバック一択であったが、フラグが没収されてしまったために彼一強ではなくなってしまった。
居場所を奪うための突き上げであればショットガンを携えたキャラを持っていくべきだが、相手の数を減らすためにはフラググレネードが必要である。
平面に警戒網を敷いている現地防衛の人間は、まさか自分の下に敵がいるとは思ってもおらず、突然足元が爆発して命を落としてしまうのだ。
もちろんそれは簡単な話ではなく、下にいるとバレてしまえば相手は逃げてしまうし、もしくは脅威排除のために遊撃に狙われることとなるだろう。


ヌックは、そういった状況を回避するのに持って来いのオペレーターであることは、言うまでもない。


現地にさえ敵にばれずに侵入できる彼女にとって、足元をとることなど朝飯前だ。
そのまま突き上げを完遂し1キル、慌て駆け寄ってきた遊撃をFMGで返り討ちにして1キルと、一瞬で数的有利を築き上げることができるだろう。

 

 


RTAヌック


難易度 ☆☆
強さ ☆☆☆☆
ヌック度 ☆☆☆☆

 

 

さあ、防衛開始だ。まずは適当な壁を補強し……おっと、現地の補強は味方がやってくれるようだ。
それならば自分は少し遠い場所の補強をして、いや、先に適当な場所にADSでも配置しよう。ついでに有刺鉄線も撒いてっと。
お、のこのこ現地にドローンを入れてくるとは愚かな、破壊しといてやろう。これで少しこっちが有利になったはずだ。
ん、準備フェーズが終わったか、じゃああそこの壁を2枚補強して、ついでにちょっとカメラをチェックして……ふむ、E側のカメラが壊れてないということは、敵はWから攻めてくるかもしれないな。
それじゃあ準備も十分だし、現地に帰って敵を迎え撃……

 

残念ながら、彼の言葉はそこで途絶えてしまった。何故ならば彼を現地で迎えていたのは、バンディットやルークではなく、ヌックであったからだ。


イェーガーやワマイ、マエストロなど、強いガジェットを持つオペレーターは、その分準備にも時間がかかる。

それこそ、準備フェーズの45秒を超過してしまうくらいに。
それでも、準備を中途半端なところで終わらす人はいないであろう。

まだ敵は来ないはずだという慢心の元、壁の補強やガジェットの設置作業を続けてしまうのだ。


ヌックはまさにその瞬間を狙うことに特化したオペレーターだというのに。


現地により早く侵入しようと思えば、大きな音をたてなければならない。
壁を壊したり、走ったり、カメラを破壊するために銃声を鳴らしたりしているうちに、敵に気づかれて対策される。それではシナリオは破綻してしまう。
ヌックであれば、侵入経路さえうまく選べば、音をたてなくて済むのだ。
足音も、カメラに映る姿もなければ、敵はまだ外で攻撃の準備を整えているだろうと決めつけてしまう。
その慢心を悔いる間もなく、命を落とす特殊部隊がいるなんて、情けない話だと思わないか?

 

 

 

・見せヌック


難易度 ☆☆☆
強さ ☆☆
ヌック度 ☆☆☆☆

 

 

ドローンを回しているときにカベイラを見つけたとき、あなたは何を思うだろうか。
奴は必ずどこかに潜んでいて、一度居場所を見落としたら最後、尋問にかけられしまい、やられるだけではなくパーティ全員の居場所がバレてしまう。
できる限り、そんな状況は避けたいはずだ。
慎重に、念入りにドローンを回すよう心掛けたり、ロックに時間を割いたり、或いはそもそも一人で行動するのをやめようと考える。
実際に尋問されたわけでもないのに、尋問されるという可能性におびえて一方的に行動を制限させられてしまうのだ。


プレッシャーこそがカベイラをピックする最大の強みであり、そしてそれと同等の圧をかけられる唯一のオペレーターがヌックである。


敵にヌックがいるとわかったその瞬間から、カメラで取得できる情報は一気に信用を落とす。
何も映っていないように見えて、彼女はそこに"いる"かもしれないのだ。
そしてカメラを見ていたプレーヤーは、味方にこう告げるしかない。
「階段のカメラ見てたけど、とりあえず敵は映ってないよ! でもヌックがいるかもしれないから警戒して!」
こんなことを聞かされたって、階段を警戒すればいいのかしなくていいのか全く分からない。もっとちゃんとした情報をよこせとイラついてしまうだろう。


つまりヌックは存在するだけで、敵陣営を混乱に陥れることができるのだ。


もちろん、これは敵に居場所がバレていないことが前提で、その姿をとらえられてしまった場合、相手は恐怖から一時的に解放される。
だが、勘違いしないでほしい。

彼女は先述したカベイラと違い、居場所がバレたところで相手をねじ伏せるガンパワーがあるのだ。

 

 

 

・プラントヌック

 

難易度 ☆☆
強さ ☆☆
ヌック度 ☆☆☆

 

 

彼女はカメラから消える能力を持つが、それはディフューザーを設置している最中も継続する。
厳密には完全に消えた訳ではなく、走ったときのように白いノイズが散るようになっているのだが、姿自体を特定することはできない。


つまり、詳細なプラント場所を悟られることがないのである。


もちろん、カメラ越しでさえなければヌック本体の姿は捕捉できるし、プラント音も鳴り響くので味方のカバーは必須であるが、カメラを使ったプラント阻害をものともしないのは敵に大きなプレッシャーを与えるはずだ。
例えば、天井にカメラを置いてニトロで突き上げを計画していたバルキリー

例えば、現地を広く見渡せるように設置し、テーザーでプランターを一方的に削ろうとしていたマエストロ。
例えば、本体がどこにいようとも、妖怪ドローンさえあれば一発で設置を強制終了させることのできるエコー。
これらのオペレーターの企みを台無しにすることができるのは、全てのオペレーターの中でヌックだけなのである。

 

 


★忍びヌック
難易度 ☆☆☆☆
強さ ☆☆☆☆☆
ヌック度 ☆☆☆☆☆

 

 

結局、ヌックのどこか一番強いのか。

 

このゲームの防衛サイドは、相手がどこから攻めてくるのかをより早く察知し、対策を講じて攻撃を食い止める必要がある。
そのために、どうやって情報を手に入れるのか。
それは、目ではなく、耳なのだ。
もちろん、カメラなどを事前に設置しておけば、相手がどこから攻めようとしているのかを視覚情報として捕捉することができるが、そんなケースは稀である。
大勢の足音、アッシュやゾフィアのソフトブリーチング弾、テルミットや火花のハードブリーチングなど、聴覚情報が頼りとなる。

 

結局、ヌックのどこが一番強いのか。

 

それは、自らの足音を小さくすることができるという能力である。

 

ヌックの能力について正しく評価するが、彼女は足音を消せるわけではない。
だから、スパイになったつもりで敵陣に勝手に忍び込もうとすると、簡単に察知されて迎撃されてしまう。
だからこそ、味方とタイミングを合わせる必要があるのだ。
最もわかりやすい例をあげると、テルミットの起動タイミングになるだろう。
補強壁が割れるというイベントは、このゲームに置いて最も大事な瞬間であり、それ故か最も大きな音が鳴る。
新たな侵入経路が作成されるのだから、防衛は嫌でもその個所に警戒を割くことになる。

 

強かなヌックは、まさにその瞬間を狙うのだ。


一瞬でも注意が他に向いていれば、ヌックは現地に忍び込むことができる。
味方がこじ開けた突破口と正反対の侵入経路を選ぶことができれば、相手は全員こっちに背中を向けているのである。
そうなればもうこのラウンドは終了だ。
ヌックがまず1人、2人と簡単に敵を倒し、慌てて緊急事態に対応しようとすれば、テルミットやサッチャーが現地になだれ込んできて、なす術もない。


まるで夢物語のように聞こえるが、味方全体の位置と行動を把握する視野の広さと戦術眼、そしてヌックの能力である『HEL プレゼンス・リダクション』が組み合わされば、悪夢に変えることができる。

 

 

 

以上がヌックの主な使用例である。

 

特に知ってほしいのは、やはり一番最後のヌックの使い方だ。
彼女は1の動きを担うオペレーターだが、本当に単独で動こうとするにはパワーが足りない。
隠密行動の強さを引き出すには、派手に動いてくれる主導隊とタイミングを合わせるスキルが必須となる。
そしてそのスキルは、ヌック以外のオペレーターを使うときにも役立ってくれるはずだ。

 

是非一度、このオペレーターでできることを知り、そして今後の成長へのきっけかにしてみるのはいかがだろうか。